「ひょうたん温泉」三つ星:ひょうたんから駒?社長苦笑
ひょうたんから駒の栄誉に、大分県別府市の温泉施設「ひょうたん温泉」が輝いた。仏ミシュラン社が格付けする旅行ガイドブックで最高の三つ星をつけられた。九州で同じ評価を受けたのは九州国立博物館(福岡県太宰府市)だけ。
世界遺産の厳島神社、清水寺などとも肩を並べ、施設の関係者は「ありがたい」と喜んでいる。でも、「いったい何で?」と戸惑う声もあり、選ばれた理由は誰もわからない。
掲載されたのは昨年4月に創刊された「ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」。日本の観光地をフランス語で紹介し、フランスを中心に19.9ユーロ(約3100円)で販売されている。
ひょうたん温泉は1922(大正11)年にできた日帰り入浴施設で、8地区ある別府の温泉郷のうち、約90軒の旅館がある鉄輪(かんなわ)温泉にある。
ミシュランガイドの全488ページのうち、別府については3ページにわたって紹介され、ひょうたん温泉は「滝湯や砂風呂などがおすすめで、別府で最も美しい温泉」などと記されている。
全国で938カ所が取り上げられ、「必ず見るべきだ」の三つ星は51カ所、「とても面白い」の二つ星は168カ所、「面白い」の一つ星は287カ所、星なしは432カ所だった。他の三つ星は日光東照宮、東京都庁、兼六園、法隆寺、姫路城など、日本を代表する神社仏閣や建築、庭園ばかりだ。
ひょうたん温泉を経営する「ユーネット」の河野純一社長は「何度見ても三つ星がついているのは不思議。他は誰もが知っている観光地ばかりで少し気恥ずかしい」と苦笑いした。
別府市観光協会の高倉秀樹・事務局長は「不思議だが、別府の温泉が魅力的だと認められた証拠。もっと世界にアピールしていきたい」と話している。
皆さんはひょうたんから駒が出た経験はありますか?